大学院
まちづくり工学専攻
まちづくり工学専攻は、わが国が直面する
少子高齢・人口減少社会に対応する
新たな先進学問・研究を推進
専攻の特色
本専攻は以下の4つの履修モデルを構成し、従来の建設系分野をベースに、さらに新領域分野の学問・研究を推進します。
都市・地域マネジメント工学
- 系履修モデル
主に都市・地域を構成する社会基盤施設を対象とし、諸施設のライフサイクル診断やメンテナンス手法、都市・地域の既存ストックの有効活用策などを修得

環境・防災まちづくり工学
- 系履修モデル
暮らしの快適性と安全・安心をめざし、豊かな都市・地域環境の保全・創造と、猛威を増す自然災害から生命財産を守る都市・地域形成理論・技術を修得

景観・観光まちづくり工学
- 系履修モデル
人口減少社会に耐えうる定住人口安定化や交流人口増大化を促すべく、住み続けたくなるあるいは訪れたくなる魅力ある都市・地域形成の実現方策を修得

健康・福祉まちづくり工学
- 系履修モデル
長寿・健康社会を実現すべく、まちのバリアフリー対策をはじめ、健康増進を促す住民活動が積極的に展開される福祉まちづくりに関する理論・技術を修得

教育研究上の目標
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前期課程

土木工学・建築学・都市工学・造園学という既存の学問とともに、景観学・観光学・福祉工学・防災工学・環境学・情報学といった学際的学問を融合した教育・研究を推進することによって、まちづくり分野の指導的立場に立つとともに、国際的にも活躍できるような高度な専門能力を有する技術者(まちづくりプランナー、まちづくりデザイナー、まちづくりプロデューサー)および研究者を養成する。
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後期課程

土木工学・建築学・都市工学・造園学という既存の学問を基盤として、景観学・観光学・福祉工学・防災工学・環境学・情報学といった学際的学問を包含しつつ、自立して研究活動を推進することにより、まちづくり分野の学問の深淵に臨み、持続可能なまちづくりを実現することのできる技術と能力および豊かな感性と学識ならびに経験を備えた研究者・技術者・教育者を養成する。
大学院研究指導教員と研究テーマ
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都市史/景観計画
阿部 貴弘 教授/博士(工学)
歴史・文化を育むまちづくり/土地の記憶を生かした都市設計/景観まちづくりの効果/水都・城下町の系譜と再生・創出/インフラツーリズムの展開/日系移民の歴史資産
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景観まちづくり
岡田 智秀 教授/博士(工学)
地元住民がいきいきと暮らせる景観まちづくり/魅力あるまちの将来像を導く景観ワークショップ/海岸地域の景観デザイン/みなとまちづくり論/人口減少社会の地域活性化
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河川工学/海岸工学
後藤 浩 教授/博士(工学)
浜辺の快適な利用と環境との共生/都市域における医療機関などの都市基盤施設の浸水防御対策/地球規模の気候変動に伴う降雨の変化に対する流出解析/まちの親水空間設計法
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福祉社会と安全まちづくり
田中 賢 教授/博士(工学)
住宅や都市、公共交通における健康・福祉社会の実現のための人間工学/都市計画に関する合意形成手法/事故や犯罪を未然に防止する安全・防犯まちづくりに関する設計手法
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地震工学/構造力学/地震防災
仲村 成貴 教授/博士(工学)
まちを構成する各種施設のモニタリング/社会基盤施設や建築物の地震時挙動の把握/構造物の健全性評価/災害時の避難/災害応急対応マネジメント
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福祉工学
依田 光正 教授/博士(工学)
福祉テクノロジー/福祉テクノロジーを活用したまちづくり/バリアを越えるためのひと・モノ・環境・仕組みのデザイン/福祉テクノロジーを応用したまちの多様性に関するデザイン
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緑と観光まちづくり
川田 (押田) 佳子
准教授/博士(工学、農学)持続可能な観光まちづくり/歴史的緑の保全と活用/都市生態系の保全/都市環境マネジメント/観光危機管理の実態把握
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建築計画/建築設計
落合 正行 准教授/博士(工学)
都市・地域の既存ストックの活用/空き家の地域的活用に関わるリスクマネジメント/リノベーションまちづくり/地域コミュニティの再生/地域集会施設の計画/公民館を活かしたまちづくり
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観光計画/地域史
西山 孝樹 准教授/博士(工学)
賑わい魅力あふれる観光まちづくり/近現代の観光史/一次史料にみる社会基盤施設の整備史/まちの履歴を重視したまちづくり/美しく誇りをもてる景観まちづくり
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都市計画/建築計画/地域施設マネジメント
山﨑 晋 准教授/博士(工学)
地域施設の再編・用途転用・跡地活用/公共的建築物の空間整備・地域連携手法/成熟・縮小時代に対応した都市計画/人口減少社会における居住環境と安全
学会における研究発表の推進
まちづくり工学専攻では、自身の研究を社会に広く知らしめるべく、学会での研究発表を必須としています。この研究発表に向けて、研究論文の作成技術やプレゼンテーション技術などを指導教員から丁寧にアドバイスを受けることで、即戦力としての実践力を養っていきます。
本専攻が研究発表のフィールドとする主な学会は、日本都市計画学会、土木学会、日本建築学会、日本造園学会、福祉のまちづくり学会などです。

まちづくりの実践活動
本専攻では、まちづくりの実践活動を推奨しています。例えば、住民や地元行政の方々と一つのテーブルを囲み、そのまちの将来ビジョンとその実現に向けた行動計画などを導く“まちづくりワークショップ”に各地で取り組んでいます。その活動を通して、大学院生はワークショッププログラムの構成力や複数の議論を一つにまとめるファシリテータ能力およびコミュニケーション能力などを修得することが期待されます。

また、本専攻では市町村を主とする地方行政と連携し、その地域の魅力点や問題点を明らかにするためのまちづくり診断(まちづくり調査・解析)を行うとともに、それらの結果を通して、その地域のあるべき姿を提案する“まちづくりプロジェクト”への参加も推奨しています。不特定多数の人々が暮らしを営み、多様な価値観が広がる“まち”において、そのあるべき提案は、客観的かつ科学的なデータに裏打ちされた論拠が必要となるため、そうしたデータを収集し分析するまちづくり技術を養います。

進路の傾向(博士前期課程修了生)
【就職実績一覧】(博士前期課程修了生)
建設・住宅・不動産:大和ハウス工業/イオンモール/関東緑地土木
調査・コンサルタント:日本工営/オリエンタルコンサルタンツ/オオバ/都市環境研究所
運輸:中日本高速道路
その他サービス:富山市民プラザ/KITABA/ツギノバ/日本プロセス
公務:東京都
授業科目・研究環境専門分野の研究環境
前期課程
授業科目
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- ●まちづくり政策特論
- ●プロジェクトマネジメント特論
- ●都市デザイン特論
- ●市街地整備特論
- ●地域・都市経営特論
- ●環境心理学特論
- ●まちづくり特別講義
- ●環境まちづくり特論
- ●治水とまちづくり特論
- ●防災まちづくり特論
- ●景観まちづくり特論
- ●観光まちづくり特論
- ●景観・観光行政特論
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- ●歴史まちづくり特論
- ●社会と福祉まちづくり特論
- ●健康・医療とまちづくり特論
- ●福祉と支援テクノロジー特論
- ●まちづくりプロジェクト演習
- ●インターンシップ
- ●まちづくり工学特別演習Ⅰ
- ●まちづくり工学特別演習Ⅱ
- ●都市・地域マネジメント工学特別研究
- ●環境・防災まちづくり工学特別研究
- ●景観・観光まちづくり工学特別研究
- ●健康・福祉まちづくり工学特別研究
- ●学位論文
後期課程
授業科目
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- ●まちづくり工学特別講義
- ●都市・地域マネジメント工学特別研究
- ●環境・防災まちづくり工学特別研究
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- ●景観・観光まちづくり工学特別研究
- ●健康・福祉まちづくり工学特別研究
- ●学位論文